「なんでもいい」にムカつく前に、「なに食べたい?」という質問をするな
季節の変わり目だからか、先週から風邪気味だ。
のどが痛いときは何も食べる気が起きない。
今日の夜は、カロリー摂取のためだけに白ご飯と納豆キムチとおでんを食べた。
むかしから人と比べて欲深い方だと思っていたが、ここ数年で食欲が減退し、美味しいお店への執着がなくなった。
というより、外食の際に選択ミスをしても気にならなくなった。
長崎で、朝も昼も夜もほとんど毎日ひとりでメシを食ってきた影響か
いまは誰かと一緒にごはんを食べることができる、というだけで嬉しい。
明日は金曜日だ。
前職は土日関わらず仕事が入る職種だったので、華金という概念がなかった。
そもそも、長崎に職場の人間以外の友人知人がほとんどいなかったので
平日の夜に職場以外の人と飲むということをあまり経験しなかった。
地元神奈川にほど近い東京に住んでいると「仕事帰りに高校時代の友人と飲む」
という奇跡的なイベントを経験できる。
関東を出たことがなかった大学時代まで気付かなかったが、これは相当幸せなことだ。
もう、あなたと会えるのであれば、何を食べて何を飲もうと何でも美味しく感じる。
以前は「なに食べたい?」という質問に対して、常に明確な答えがあったが
今は本当に「なんでもいい」と思える。
けれど「その回答は好ましくない」とわたしたちは知っている。
相手が気を遣って「なに食べたい?」と聞いてくれているのだから、
ある程度具体的な解を用意せねばならない。
そう、「なに食べたい?」という質問は、答えるこちら側も気を遣うのだ。
自分のおなかと相談し、相手の好みと腹具合と相手が持っていそうな引き出しを予測し、わたしたちは数ある選択肢のなかから吟味し、「なに食べたい?」という質問に答えるようにみせかけて提案する。
「イタリアン」「魚」「焼き肉」「中華」「タイ料理」「フレンチ」
その答えを受けて、あなたは該当するジャンルから数店舗選ぶと思う。
でも、わたしはあなたと一緒であれば、基本的にどこで何を食べても美味しく感じるのだ。だから、どんなお店でも嬉しい。
であれば「なに食べたい?」という質問は無駄かもしれない。
正解は「苦手なものある?」だと思う。
苦手なものがあればそれを避け、なければ直球で候補の数店舗を「じゃあ、●●か■■行かない?」と挙げていただければ大変うれしい。
※最近デートした男性がそのように提案する方だったのでほれぼれした。
※「なに食べたい?」と聞かれるのが嫌いなわけではない。
※デートでラーメン屋行くの好き派。でも、丸亀製麺に連れて行かれそうになったときはさすがに怒った。